株式会社ストーリー アイ blog 部下育成のヒント

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リーダーシップ,上司、リーダーとしてのあり方
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「Doing」よりも「Being」が部下を育てる

2019.05.30猪俣恭子

以前、『ショムニ』というドラマで、主役演じる江角マキコさんが、こう言い放ったのが今でも印象に残っています。

「上司の給料には、部下を育てる分も入っているんだよ」

果たしてそう思っている上司は、どれくらいいるでしょうか。
私なりに目指す「上司」像をイメージしました。
何名もの上司が浮かびましたが、今日はKさんについてふれます。
Kさんのあり方から学んだことは、それは「言い訳をしないこと」です。

あれは、私が銀行に入行して5年目の時でした。
後輩のAさんがKさんに報告していたのですが、その時、Kさんは相当忙しかったのでしょう。
Aさんが仕上げた書類をぱらぱらめくりながら検印し、「ああ、うんうん」と相づちは打つものの、その声のトーンは「わかったから、もういいよ」と、なんとも面倒そうな響きでした。
自分の席に戻るAさんを見ると、かなり苛ついた表情です。
思わず「大丈夫?」と声をかけました。
「Kさんっていつもこう。余裕がないんです。しょうがないです」と、Aさんは舌打ちをし、顔をしかめました。
穏やかで気遣いに長けるAさんが、ここまで言うのは余程のことです。
これはまずい・・・。
このままにしておくと、AさんはKさんに不信感を募らせてしまう。

その後、職場に誰もいない頃合いを見計らって、Kさんに思い切って伝えることにしました。

「Kさん、さっき、Aさんが報告している時のことなんですけれど。
 Aさんのほうを見ることもなく、検印しながら適当に“うんうん”と相づちを打っていて、しかもまだAさんが話している途中なのに、立って隣の部屋にモノを取りに行ったりしていましたよね。
 あれじゃ、聞いてもらっているっていう感じが全くしません。
 Aさんのほうを見て、ちゃんと話しを聞いてあげてください。」

Kさんはどうかというと、目をつぶり、足と腕を組み、眉間には縦皺を寄せています。
怒っているのかと、緊張感が走りました。
しばらく沈黙が続きます。
Kさんは、こう切り出しました。

「ほんとにその通りだよな。わかった。これからは気を付けるよ。言ってくれてありがとうな」

さすがKさん!
その後、KさんのAさんの話を聞く態度は確かに変わりました。
軽く10歳下の部下の私にもの申されたわけですが、Kさんは何ひとつ言い訳しませんでした。
そのうえ、「言ってくれてありがとうな」です。
私のKさんへの信頼度が一気に高くなったのは言うまでもありません。

それから30年近く経ちました。
私は、当時のKさんの年齢をかなり超えました。
そんな今の私は、どれくらいKさんのあの「潔さ」に近づいているでしょうか。

部下を育てるのも上司の仕事。
だからといって、何をどのように育てようかと左脳で考えすぎるのはやめましょう。
理屈で考えすぎないことです。
「育てる」という「ハウツウ」に意識を向ける前に、次の問いにじっくり考えることから始めてみたらいかがでしょう。
結局は、人の行動というのは、思っていることしか表現されませんから。
例えば、
 自分はどんな上司でありたい?
 理想の上司してどんな人をモデルにしたい?
 部下とどのような関係でありたい?
 そもそも上司とは何をする人?
 部下とともに実現したいことは何?
 上司として部下の前では決して妥協しないことは何?
など。

部下が育つは、あなたの「Doing」よりも「Being」に影響されてのことですから。

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◆今日の質問
「その理想の上司にいつなりますか?」
理想はイメージしている限り、理想の枠から超えることはありません。
いつもいつも追い求めることが目的の存在になってしまいます。
だからの質問です。
いつにはその理想の上司になっているのか。
デッドラインが置かれることで漠然と取り組みたい目標が、はっきりし、取り組むべき課題が見えてきます。
その効果をねらっての質問です。

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