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「さとうさん」のために頑張ろう

2018.06.26猪俣恭子

理想の上司像?
首をかしげてちょっと考えて、
「いないなあ」と言う人も多い。
本当にいないのか、
それとも、かなり理想が高いのか?

私には何人もいる。
理想の上司が。

その一人が「さとうさん」。
社会人一年目の時の上司だ。
どんな人?
一言でいえば「地味」な人。
自分をアピールすることは一切なく、
表情もどちらかというと無表情に近くて、
そそっと静かに歩き、
机に向かいもくもくと書類を作成し、
声もこそこそとか細くて、
おとなしーい印象の人だ。
しかし、それとは裏腹に、
仕上げる仕事はとても手堅かった。
上司からも同僚からも信頼されていた。
困ったときの「さとうさん頼み」よろしく、
「さとうさん、悪いね」と、
しょっちゅう声をかけられていた。
私のような部下が何か失態をやらかすと、
「私が謝ってきましょう」と、
いそいそと出向いてくれた。
「私の仕事は苦情対応ですから」と、
誰もが嫌がるようなものを
まるで楽しんでいるようだった。
「さとうさん、どうしましょう」と、
私たちが相談すると、
的確な指示をしてくれていた。
言わずもがな、
私たちは、実に安心して、
実にのびのびとやるべきことに集中できたのだ。

結果として・・・?
私たち部下たちは・・・?
今でも忘れられない。
指導係の先輩は、こう言っていた。
「なんとか数字を達成して、
 さとうさんの実績にしたい。
 さとうさんには、
 ここから栄転していってほしいのよ」
と。
その願いどおり、
あの時の私たちの課の実績は目を見張るものがあった。
本部から与えられた数字は全店一位となり、
メンバーから頭取表彰をもらう人まで出てきて、
さとうさんを中心に私たちは仕事にやりがいを感じていた。

そんな課のなかで、
新人で仕事ができたことは、
なんて恵まれたことか。

今でも忘れられない。
先輩の「さとうさん」のためにという、
あの言葉。

理想の上司は?
そのタイプは一つではない。
きらきら輝いて、
ビジョンを魅力的に語って、
私たちの希望を与えてくれて、
先を歩いて、自分が先導役になってくれる・・?
そんなリーダー像もひとつの姿だろうが、
「さとうさん」のようなリーダー像だって、
確かに世の中に存在する。

理想の上司像に正解はない。
「自分のために動こう」。
そんなふうに思われる自分でありたいものだ。

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