株式会社ストーリー アイ blog 部下育成のヒント

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沈黙と楽しむ、戯れる

2017.11.08猪俣恭子

相手がもっと主体的になってほしい、
もっと自分で考えられるようになってほしい、
指示を待つだけじゃなく、自分の意見を言ってきてほしい。

そう願うのなら、
まずは自分がいつも答を言うのではなく、
質問すればいい。

「あなたはどう思うの?」など。
相手に考えてもらうための質問リストなるツールは、
世にごまんとあふれている。
それを参考に使ってみればいい。

が、最も重要なのは、その次だ。
こちらが質問した先。
大方、相手は言いよどむことが多くなる。
「えーと・・」「うーん・・」「そのー・・・」と
しぃんとした沈黙が流れるようになるだろう。

そのしぃんとした沈黙に、
あなたはどれくらい待っていられるだろうか?

結論は、最後の最後まで、耐えることだ。
相手はこちらが投げた質問の答を考えているのだから。
こっちだって、いい加減に質問しているわけじゃない。
意図や目的をもって問いかけている。
だから、相手が最後まで言い切る時間をつくることに
とことこん責任を持ちたい。

相手の立場にたったらどうだろう。
考えを訊かれる質問をされて、瞬間頭の中は真っ白。
フリーズ状態。ちょっとしたパニックだろう。
どうしよう、なんて言えばいいやら。
時間ばかりが流れる。
焦る。
まずい。

という状態になっていることは、察しがつく。
しかし、これが相手にとってこの上なくいいことなのだ。
パニックになろうが、焦ろうが、
この状態を切り抜けるのは、自分しかいないことに気づく。
何か一言言わなければ、誰も助けてはくれない。
沈黙を打ち破るのは、自分。
何か言わねば・・・。
フルスピードで脳の中で情報を検索し、
適した言葉を探し、言葉を並べて自分の声にのせて表現する。
そして感じるだろう。
よかった、何とか切り抜けた、と。

これだけのことは、時間にすれば一分あるかないか。
しかし、このささやかな体験を何回も何回もした人こそ、
自分で考える習慣が身についている人。
自分でとことん考えようとする習慣が身についている人。
その先に、私たちが願う「自主的な人」に進化していくに違いない。

会話は言葉で成立していると思っている人は、
会話を言葉で埋め尽くそうとする。
沈黙の時間は排除だ。

会話は言葉と沈黙で成立していると思っている人は、
沈黙の時間が楽しくて仕方がない。
相手が考えているのを見るのが楽しくて仕方がない。
沈黙の先に、どんなアイディアが生まれるのだろう、と。
沈黙は、相手のクリエィティビティを高めるかけがえのない時間。

だから、相手が言いよどみ沈黙が流れたとしても、
まず、待ってみよう。
「こういうことかな、ああいうことかな」
「質問を変えようか」
そう安易に言わないことだ。
それは相手の脳のエネルギーを拡散させてしまうことにもなる。

相手がもっと主体的になってほしい、
もっと自分で考えられるようになってほしい、
指示を待つだけじゃなく、自分の意見を言ってきてほしい。

そう願うのなら、
沈黙を待つ。
いや、より自由に捉えるなら、

沈黙と楽しむ、戯れる。
こんなイメージで、どう?

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