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コーチングスキル
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ほどよい緊張感、メンバーの力をひきだす

2017.09.22猪俣恭子

今日、日本橋にある千疋屋総本店に仕事帰りに寄った。
カウンター席を案内いただいた。
パフェをつくっているところを目の前で見られるのだから、
なかなかお得な席である。
その時の調理担当は二名。
若い。20代だ。
しかし、その二人、
時折笑い、話しながらの調理。
それが私語なのかどうかまでわからないが、
やはり気になった。
耳をそばだてて何を話しているのか聞き取ってみようかと思ったが、
さすがに内容まではわからなかった。
途中から、正面の二人のことを気にしないように意識した。

あともう少しでパフェも食べ終わるという頃、
女性のスタッフが他の女性と交替した。
その女性も若い。20代後半くらいか。
隣のスタッフと目をあわせ、こくっと軽く会釈した。
その様子が、なんとなくかっこよい。
何の気なしに見ていたのだが、
だんだん彼女の動きに見とれてきた。

キウイをくるくる回したかと思ったら、
すでに皮が薄く向けている。
目を見張った。
重ねたパンにナイフをいれる様も美しい。
茶道の動作をも彷彿させた。
無駄な動きがない。
彼女が調理場に入ってから、
他のスタッフの動作にも、“キレ”がでてきた。
彼女と並んで調理する男性も
真剣な表情、眼差しになっている。
場の空気が、一気に変わった。
その雰囲気が、食材のよさを際立たせているようにも感じた。

会計時に聞いてみた。
「Nさんという女性の方はとても手際がいいですが、
 ベテランですか?」
「はい、調理場の長をしています」
「やはりそうですか。
 彼女が入ったら雰囲気が変わりました。
 素晴らしいです」
「ありがとうございます。
 本人に伝えておきます」

よいものを見た・・・!
彼女はリーダーだ。
その場にその人がいるだけで、
場の空気が良い方向に変わる。
メンバーは本来集中すべきことに、
意識を向けるようになる。
メンバーはいちいち注意されずとも、
自ら望ましい行動をとるようになる。
結果として、もともと持っているポテンシャルが
仕事を通して表現できるようになるのだ。
彼女がさっとその場に入っただけで、
あれだけ空気が変わったということは、
スタッフから一目置かれているということだろう。

自分という存在は、
今、周囲に、どのような影響を与えているだろうか。
本気や真剣さを引き出しているのか、
それとも、
手を少し抜いてもいいやという甘えを引き出しているのか。
相手にあれこれ言うまえに、
自分の在り方自体を振り返ったほうが、
結果として急がば回れになるようだ。

千疋屋総本店。また行ってみよう。
もちろん、また、カウンター席だ。

・・・・・・・・・・・・

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