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あいまいな仕事の指示は、無駄を生む

2016.01.08猪俣恭子

『女性が活躍する会社』(日本経済新聞社)は、
リクルートワークス研究所所長の大久保幸夫さんと、
主任研究員の石原直子さんの共著。
共感するところが大いにある。
そのひとつを今日は紹介しよう。
下記はP111にある内容だ。

   組織の無駄を排除していくのは、
   上司の仕事です。
   たとえば、「あいまいな仕事の指示」は無駄を生み出します。
   部下に仕事を振る上司の指示がはっきりしていないと、
   部下は何をどこまでやるのかがわかりません。
   その結果、本当はやらなくてもいい仕事まですることになります。
   (省略)
   仕事を振るときには、「何を」「いつまでに」「どの程度のクオリティで」の3点を
   明確にしなければなりません。
   そもそも、日本の組織では、「周囲の人間とは、文脈を共有している」という感覚が
   強くただよっているため、
   「あ・うんの呼吸」で仕事を進めることがよくあります。
   人の動きを見たり空気を読んだりして、
   それに合わせて自分の動き方を決める、という行動の仕方には、
   もちろん良い部分もありますが、
   効率という点では、あまり推奨される働き方ではありません。

至極、納得する。
私が会社員だった20代の頃の体験だ。
当時、人事で研修業務を担当していた。
あれは確か2月だったと思う。
上司が、私含めて三人の女子社員に指示をした。
4月の新入社員研修を企画しなさい、と。
あなたたちの若い感性で新しいものを作ってみなさい、と。
指示はそれだけ。
先輩と後輩の私の三人で、
それこそ話し合いを重ね、役割分担して情報を収集し、
企画書を作成し、参考として資料も揃えた。
一方で、私は嫌な予感がしていた。
この仕事をするには、あまりにも情報が少なすぎる。
うちの会社は新人をどのように育成したいのか、
何を強化したいのか、
もう少し長い目で見て、新入社員の二年、三年先まで考えれば、
入社したその年に何をどこまで習得できている状態にしたいのか。
それも私たちの推測で進めてしまっていいのか。
上司に確認したくても、
ちょうどその時期に臨店やら出張が続き、
三週間近くすれ違いばかり。
職場に戻ってきても、会議や打ち合わせで席にほとんどいない。
上司もそれだけ忙しいスケジュールだったからこそ、
私たち三人に頼んだのだろう。
ようやく上司が一息ついたタイミングを見計らい、
私たちはプレゼンした。
神妙な面持ちで聞いていた上司は、
「あとは預かりましょう」と言って、そのまま。
結局、上司が一から企画し直し、
私たちが企画したものは、影も形もなくなってしまった。
3月下旬になって、もう研修が始まるという時期に、
「これでやりますから」と結果を伝えられたのみだった。
要するに、私たちの企画はたたき台にもならなかったのだ。
それに対し、思うことは別にない。
私たちの知識不足や未熟さゆえだから。
しかし、私たちが取り組んだ三週間という時間は、
どう考えても、どこから見ても無駄になった。
どれくらいの人件費を費やしたことになるのか。
あまりにも、もったいなかった三週間ではなかったか。
他にいくらでも仕事はあったのだから。
上司が忙しかったとしても、
はっきり確認しなかった私たちにも非はある。
それもそうだが、
研修を企画するにあたって必要な情報があったならば、
もう少したたき台になるくらいのレベルになったのではないか。

その体験から学んだのは、
指示は「具体的に、明確に」だ。
でないと、成果物はポイントがずれるだけ。
時間がかかるだけで、効率だって悪くなる。

日常のささいなことだってそう。
「なるべく早くお願いね」
一体、「なるべく早く」というのは、どれくらいの時間なのだろう?
上司が「今日のお昼の12時まで」と想定しながら指示しているにも関わらず、
部下が「明日の朝9時まででいいのだろう」と捉えていたら、
「なぜ、そういう認識なんだ!」と二人の信頼関係にヒビが入るやもしれない。

研修で「皆さん、『大勢の人が集まった』というと、何人のイメージですか?」
と訊いたことがある。
その時の答えのなんとバラエティに富んでいたことか。
10人、30人、50人、100人、500人、1000人・・・。
同じ人数のイメージの方ももちろんいらっしゃったが、
こんなにも異なるイメージを持つものかと驚いたものだ。
もちろん研修受講者の方たちも驚いていた。

上司の指示は、具体的に、明確に。
会議で使う資料を用意してほしいなら、
「人数分用意しておいて」ではなく、
「8名分用意しておいて。両面コピーで左上をホッチキスでとめておいて」と指示する。
「いつもより早めに来てね」ではなく、
「午前9時に来てね」と指示する。

そのようなひと手間ふた手間が、
部下の育成を早めるし、
信頼関係につながる。
やり直しもなくなる。
効率よい職場になる。
そうなれば、以前よりも時間が多少なりとも余る。
残業が減るだろうし、
余った時間で新しいことを考えたり、
実際に取り組める。

ちょっと手間なのは最初だけ。
急がば回れ。
あいまいな指示にピリオドだ。

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