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リーダーシップ,上司、リーダーとしてのあり方
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誠実さって、なんだろう?(後編)

2015.12.05猪俣恭子

前回の続き、今度はKさんの話。
このエピソードは、
実は拙著『女性のためのリーダーシップ術』に登場している。
同じ内容になるが、また書こう。

後輩がKさんに報告していた時のこと。
Kさんは相当忙しかったのだろう。
もしくは後輩が職場で一番下ということもあり、
甘えていたのかもしれない。
報告する彼女を全く見ず、
視線はデスクの書類に向けたまま。
右手は印鑑を持ち、ひたすら検印。
しかも、彼女がまだ話しているというのに、
突然椅子から立ち上がり、隣の部屋に何かを確認しに行き、
また自分の席に戻り、再び書類に目を落とす・・・という有り様。
最後に二言三言、彼女に指示し、
慌ただしく出かけてしまった。

その後、聞いてしまったのだ。
「ちっ!」という彼女の舌打ちを!

「Aさん、大丈夫?」
「Kさんって、ああいう人なんですから仕方ないですよ」
感情を押し殺した言い方が、かえって恐かった。
相当はらわた煮えくり返っている・・・。

その日の夕方。(だったと思う)
職場は、たまたまKさんと私の二人っきり。
そこで、思い切ってKさんに伝えることにしたのだ。
さっきのことを。

「Kさん、相談したいことがあるんですが、いいですか?」
「ああ、いいよ」
仕事も落ち着いたのだろう。
機嫌がいい。

「Kさん、今日、AさんがKさんに報告した時に、
 全くAさんの話を聞いていなかったです。
 検印しながらだったし、話の途中で席を立って行ってしまったり・・・。
 Aさんの話をちゃんと聞いてくれませんか?」

Kさん、しばらく無言。
足をくんだまま、目をとじて、ぐっと考えている。
その目があいた時、彼は笑顔でこう言った。

「そうだな。福田さん(私の旧姓)の言うとおりだな。
 これからは気を付けるよ。
 言ってくれてありがとうな」

その言葉どおり、
彼はそれからというもの、
後輩のAさんの話をちゃんと聞いてくれるようになったのだ。

自分に非があると思ったときは、
素直に認める。
それを教えてくれた人に、感謝する。
そして、ちゃんと改善している自分を行動で見せる。

さすがKさんだ。
信頼できる上司と思った。
しかし、ふと思った。
いくらはっきりもの申す私でも、
相手が誰だろうが、あれこれ言えるわけではない。
じゃあ、なぜKさんには言えたのだろう。

振り返ってわかった。
そもそも、私はKさんを信頼していたからだ。
この人は言えばわかってくれる、と信じていたからこそ。
だから、リスクを感じても勇気をだして伝えられる。
事実、感情的にならずちゃんと聞いてくれる。
こうした信頼のループが活きているのだ。

誠実さって、そういうものだ。
それを理屈じゃなく、Kさんから学んだ。
上司が持つべきものは、誠実さであるということも。

数日たって、次長がそっと教えてくれた。
「福田さん、この前、Kさんに言ったらしいな。
 Kさんが『福田さんに怒られまして・・・』と
 言っていたぞ」
その目がいたずらっ子のように笑っていた。
いやいや、怒ってないってば。
まあ、それでもよろし。笑

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