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強み探究(9)~比較しない、決めつけない、大らかに

2015.10.25猪俣恭子

新入社員のフォローアップ研修で、
受講者のAさんの様子が朝から気になった。
質問すると、視線があちらこちらにきょろきょろ。
書いた文章をそのまま読んでいるような話し方。
絶対に誤解されたくない、正確にちゃんと話したい、
そんな頑なな気持ちが伝わってくる。
研修中は緊張して当然だが、
それにしては、おどおどしている。

しかし、研修が進むにつれ慣れてきたのだろう。
ぽつりぽつり自分のことを話すようになった。

「先輩から『もっと周りを見るように』ってよく注意されるんです。
 気が利かないので、気を付けたいです」

“よく”というあたりが気になる。
自分でもそうしたほうがいいのは分かっているけれど、
なかなか言われた通りにできない、
だから“よく”注意される、という状況のよう。
ということは、
そこにAさんなりのパターンがあるのではなかろうか?

「気が利かないって、どういうこと?」
「自分の仕事が終わっても、
 周りでまだ終わっていない人がいたら、手伝うようにって。
 同期はそのあたりがよく気がつくので・・・」

蚊の鳴くような小さな声。
彼女の先輩も新人二人を比較してしまうのだろう。
先輩の気持ちもわかる。

「Aさん、もしかして、自分に与えられた範囲のことは、
 責任をもってちゃんと最後までやり遂げたいって思うんじゃない?」
ぱっと瞳が輝くAさん。
うんうん、と力強くうなづく。

「そんなふうに自分が任された範囲を大切にするから、
 自分の仕事が終わっても、他の人が任されているテリトリーに
 入っちゃまずいと思う、とか?」

そうなんです! と、これまた力強く同意するAさん。
やっぱりそうか。
自分が任された仕事を責任を持って遂行する。
決められた範囲の仕事を
丸ごと任されることにやりがいを感じ、
努力して責任を果たそうとする。
それはAさんの強みだ。
一方、自分が責任を果たしたい領域に、
他の人から手をだされたくない、と思うのだろう。
だから、自分がされて嫌なことは相手にしない。
Aさんは気が利かないわけではないし、
気配りできないわけでもない。

でも、先輩はAさんがそういうタイプだと気づかない。
だから注意する。
他の新人がよく気がつくとなれば、自ずと比べてしまうだろうから、
余計にイライラしてくるだろう。

Aさんの強みを活かすなら、
責任の所在を明確にして仕事をお願いするのも一つの方法。
また、「もっと周りを見るように」と言うよりは、
「自分の仕事か終わったら『何かお手伝いできることはありますか?』
と、声をかけてね」と
具体的に教えたほうが、Aさんの場合は行動しやすいだろう。

さて、Aさんは、
仕事をするうえでの自分のこだわりを知って、
ほっとしたようだ。
「これからは周りの人たちに、もっと声かけします」
そう柔らかい笑顔で、表情も明るく話してくれた。

仕事をしていると、
私たちはついぞ結果を求めるから、
部下を見るときに、自分の物差しで測りがちだ。
それが高じると、
相手の強みをどうしても見逃してしまう。
それはもったいない!

では、何に注意すれば、
相手の「強み」をキャッチできるだろう?

ひとつは「比較しない」こと。
誰と?
周りの人と。
そして、自分自身と。
自分のやり方や自分の基準と。

もうひとつは、「決めつけない」こと。
一回できなかった、しなかったから、と。
また、周りの人がそう言っていたから、ではなく。
こちら側がゆとりをもって、
長期的に本人の行動や発言を観察する。
「大らか」に見守る。

そうすれば、
相手の強みがわかったり、見えてきたり、
感じられるようになる。

結果をだすことに追われる時ほど、
一分一秒無駄に物事を進めたくない時ほど、
「この人はこういう人」と答えを急ぎだすことのないよう。

相手の成長のために。
自分の心の平穏のために。
そして、相手ともによりよい成果を軽やかにだすために。

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